オリジナルの自作小説と、それに関連する2D・3DCGを載せています

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◆ ARXモデル ( あーくすもでる )

 AIのネハーレンから得たデータをもとに、それぞれのVISION、そしてエインセルやフェノゼリーなどのAIが作られたが、その心をエミュレートするためのモデル。このモデルによってAIの思考パターンを生成している。
 ネハーレンから得た膨大な入出力データに加え、遺伝的アルゴリズムを用いた性格の生成を行うことで、非常に複雑を極めるAIの思考パターンをきわめてシンプルかつ柔軟に設計できるようになった。

 しかし、ARXモデルの欠点もそのまま引き継いでしまっている。
 想定していない入力に対し、適切な答えを出せない振る舞いはしばしエインセルのメンタルの脆弱性に繋がる。

◆ IDF ( あいでぃーえふ )

Inteligence Dedicated Function

 エインセルの頭部にある思考システム。
 本来エインセルは体だけで一つのロボットとして完成しており、給電するだけで生体機能を維持することができる。
 IDFは頭蓋骨の内側に本体とは別に格納するコンピュータというイメージであり、主に人格データや感覚、記憶、学習などを司る部分が格納される。
 MDFにIDFを搭載することでエインセルはロボットからアンドロイドになるのである。

 MDFとIDFは役割が全く異なっているため厳密には連結していない。専用のコマンドで必要な指令のみをやりとりすることで別々のシステムでありながらあたかも協調動作しているような処理を可能にするとともに、それぞれの独立性を確保し、セキュリティを高めている。

関連項目:MDF

◆ ACID ( あしっど )

 重傷を負ったエインセルの一時救命処置手順。
 エインセルは人類と同じ生体パーツを使っており、人類と同じような治療を行うことができるが、重傷特にイミューンシステムが作動した状況に陥っている際にはエインセル向けの救命処置手順を取る必要がある。
下記の手順を上から順番に実行することになる。

・A( Apply curren )⇒給電により生体維持機能の停止、およびシステムの停止を防ぎます。
・C( Circulation )⇒止血をし、血液の循環ルートを維持することで、血液中を流れるマイクロマシンによる自己治癒が可能な状態を保ちます。また血液の流出による生体へのダメージを防ぎます。
・I( Interchange )⇒自己再生が不能、あるいは非常に長時間を要すほど損傷を受けている部位、または交換による対応が決められている精密部品、基幹部品を交換します。
・D( Diagnosis )⇒残った重要でない損傷箇所について個別に鑑別診断を行い、マイクロマシンの治癒機能と協調して修復を行う。

◆ 亜リア族 ( ありあぞく )

 亜リア族とは、惑星ビアンカ内で強い力を持つとされている個体群の総称である。
 リア族に次ぐ高い能力を持っているが、その力を使いこなすことができず苦悩する、非常に厳しい試練を運命付けられていることが多い傾向にある。
 突然変異的に誕生することが知られており、エインセルなどにも亜リア族に分類される者がいる。関連性は今のところ見つかっていないが、名前のどこかに「リ」「ア」の二文字が連続せずに入っており、これが亜リア族の名前の由来になっている。

◆ 意識下制御 ( いしきかせいぎょ )

 エインセルやフェノゼリーは一挙一動から呼吸、思考に至るまで非常に多くの制御によってその行動を実現している。
 しかし全ての制御の管理を意識下で処理するのは非現実的である。
 そのため生体維持を始め、通信、運動にいたるまで非常に多岐に渡る項目をユニットごとに分割し、それぞれがエインセルの意思に応じて最適な計算結果を提供することで無意識での制御を実現している。
 意識下制御とは、各ユニットの一部について意識下での計算を行わせることによって動的で細かい制御を行うことができる仕組みである。
 反面計算に意識を集中することになるため、意識下制御時には通常の行動に支障が出る。
 通信士や航空士を始め、他のエインセルにサービスを提供する役割を持つエインセルは役割に応じた意識下制御を行うことが許可されている。

 関連項目>>オグナンジェ

◆ イミューンシステム ( いみゅーんしすてむ )

 IMMUNE (Integrated Medical Maintenance Unit in Noxious Emergency) Systemの略
 非常時の動作モード。
 エインセルが重症を負ったときに、生体維持などの生存に必要なエネルギーのみを残した上で自己修復に全エネルギーを割り当てるモードである。
 意識や脳機能のエネルギーも最低限を除きカットするため、外からは気絶しているように見える。
 修復がある程度済むと意識を取り戻し、通常モードへと移行する。
 なお、さらに甚大な被害を受けた場合、この動作モードに移行した状態で体内の電力を使い果たすことがある。
 直ちに外部電力に接続すれば問題はないが、そのまま時間が経過すると生体維持機能も停止してしまい、死に至る。

 イミューンシステムを起動させることにより安全な生け捕りが可能となるため、システムの発動に特化した銃器の使用や、逆に発動させず確実に死に至らせる刀剣の使用など武器の選定もこのシステムを前提として計画される。

◆ 詠唱法 ( えいしょうほう )

 地面や物に陣を書いて発動させる魔方陣法とは別に、口頭での詠唱によって魔術を発動させる方式。
 すぐに発動させる事が可能で、簡単な魔術や効果時間が短くて良い魔術に向く反面、効果時間の長い魔術や効果を複数複合させた魔術には向かない。
 LEDという魔術専用の言語によって記述されたコード(詠唱文)を読み上げる。

◆ エインセル ( えいんせる )

 人類によって作られた人型のアンドロイド。人と見分けが付かないくらい精巧に出来ており、人類に紛れて生活している。
 主な役割は人類の補助をすることで、人と一緒になって様々な作業を行うほか、医療現場など人型であることが求められる場所での作業も行っている。
 元々は高度なAIを搭載したロボットを一様にエインセルと呼んでいたが、後に専用機をフェノゼリー、人型機をエインセルと呼び分けるようになった。

◆ エインセルAI ( えいんせるえーあい )

 エインセルに搭載されているAI。
 人類に安心感を与えるように調整されており、温厚で人当たりがよい性格の個体が多い。
 ARXモデルを搭載しているため想定外の事象に対し独力で適切に対処することを苦手とする。そのため様々なことでよく悩み、それを人類や他のエインセルに相談し共有する事で問題解決を図る仕組みが特徴的である。

◆ エーテルネット ( えーてるねっと )

 惑星ビアンカで整備されたネットワークシステム
 エインセルやフェノゼリーが人類に紛れこんで活動することを想定しており、無線媒体での通信に特化した通信方式である。

 具体的には、電波を四次元空間にまで拡張し、新たにできた物理量にエインセルやフェノゼリーの個体番号を割り当てることで、無線でありながら全二重通信を確保したものである。
 この技術によりエインセルは独自でフルワイヤレス構成によるネットワークを構築することができている。

◆ STS分割法 ( えすてぃーえすぶんかつほう )

 魔術を行使するための方式の一つで、魔術の発動を下記3つのプロセスに分けてそれぞれ個別に制御を行う。

・S( Source ):魔力の供給
・T( Transform ):取り込んだ魔力を目的に合わせて変質させる
・S( Sink ):変質させた魔力を特定の条件で出力させる。

 魔術の発動については様々な方式が提唱されているが、STS分割法は魔力の流れに沿った明確な分割法で理解しやすいため、詠唱法や魔方陣法で最も利用される方式となっている。

◆ FTL ( えふてぃーえる )

 Faster Than Lightの略。
 何らかの手段によって光より早い速度で空間を移動すること。
 惑星ビアンカ到達時点では、人類は星門と呼ばれるピアツーピアで結ばれた巨大な建造物を用いた限定的な技術しか持っていなかった。
 しかし、VISIONの発明により彼らの高い計算能力を利用することで、単独で精密なFTL航行が可能となった。

◆ MDF ( えむでぃーえふ )

 MDFとはMain Determination Frameの略で、エインセルの骨格のことである。
 透明な樹脂で作られている光コンピュータであり、このコンピュータによってエインセルの駆動や生体、発電などの思考以外に関する機能が管理されている。

 表面には耐衝撃素材が何重にもコーティングされており、人間の骨よりも丈夫にできている。また瞬間的に加わる衝撃に非常に強く、ある程度の口径以下の銃弾を防ぐ事が可能である
 反面切断には弱く、エインセル同士の戦闘ではこの弱点を利用し、確実に無力化するときには刀剣などの刃物がよく用いられている。

関連項目:IDF

◆ LED ( えるいーでぃー )

 Language of Effacable Dischargeの略
 詠唱魔術用に専用に用意された言語。非常に多くの単語の中から属性や機能を組み合わせてコードと呼ばれる詠唱文を作り、それを読み上げることによって魔術として発動させることができる。
 ディスパテルは初等教育の頃から単語とイメージの結び付けを行う訓練を積むことにより、LEDという言語で詠唱魔術を制御する術を習得する。
 また、LEDによって記述された詠唱文をコードと呼ぶ。

◆ LTE ( えるてぃーいー )

 Long Tern Emissionの略。
 STS分割法での魔術発動のプロセスは「発動するのに必要な魔力をあらかじめ身体に取り込む」→「魔術規模や効果を制御する」→「魔術として発動する」の三つである。
 この三つのプロセスをLEDの構文を書き換えることで細分化し、供給から放出までの手順を時間をかけて行うことによって単位時間当たりに体内で取り扱う魔力の量を少なくする手法。
 安全な場所で治癒魔法などの消費が大きい魔術を行使する場合に術者の負担を小さくすることができるが、そもそもLTEが実用に耐えるレベルで行使可能な魔術の数が少ない上、詠唱時間が非常に長くなる等の欠点があり、複数の手法が提案された時期もあったが現在研究者はほとんどいない。
現在LTEの研究分野で成果を出し続けているのは魔法学者ソプラノただ一人である。

◆ LCR ( えるしーあーる )

 Least Cost Routingの略
 エインセル・フェノゼリー用に最適化されたナビゲーションシステム。
絶えず上空を飛行しているフェノゼリーから受信するGPS情報や、各地域にいるエインセル達が収集した測量情報、気象観測や社会情勢などを組み合わせて実現している。
 陸上、海上、空などの移動場所と徒歩、車輪、船舶、航空などの移動手段を選択したときに、地形・海流・気象・魔力濃度・社会情勢などを勘案し、最も少ない負荷および安全なルートで目的地にたどり付くための最適な経路設定を行うシステム。

 地図上ルートを表示するだけでなく、針路を視界に重ね合わせする形で表示することが可能なため、航空ユニットや船舶を使用した時の誘導などにも利用される。

◆ 王立魔術研究所 ( おうりつまじゅつけんきゅうじょ )

 ペルセウス王国の第二首都シェダルの近傍に存在する魔術の総合研究機関である。
 研究所は研究部門と技術部門の二つに分かれ、魔術研究者や魔方陣技師などが多く在籍している。
 魔術部門では詠唱法を始め魔力の根源に渡るまで非常に多岐にわたる魔術の研究および開発を行っている。
 技術部門では主に魔方陣を中心としたシステムの開発を中心に行っており、保護結界や魔方陣の構築と保守を行っている。

 その実態は、優秀な魔方陣学者や魔方陣術師を囲い込んだインフラの掌握である。
 最先端の魔科学や魔方陣を用いた技術は住民の生活レベルを大きく向上させる物ばかりであるため、その研究成果や技術を囲い込んだ上で地域に「有償で」提供することで国から与えられる予算の他に大きな「帳簿外の」富を得ている。
 また、その資金を用いて被験者の記憶を操作する。被験者の肉体に魔術的施術を施す等の非人道的な実験も過去に多く行われていた。

◆ オグナンジェ ( おぐなんじぇ )

 オグナンジェとは、エインセルやフェノゼリーが行う処理を引き受ける事ができる機能である。無意識制御ともよばれる。
 エインセルやフェノゼリーは自身を動作させるために非常に多くの機能を同時並列で処理しているが、それらを一つ一つ意識的に制御するのは非現実的である。それを解決するためにオグナンジェが実装された。
 オグナンジェはエインセルとは別に独立した処理ユニットを所有しており、エインセルより高い権限で動作している。自律制御に必要な処理など本来無意識に行いたい命令を全てオグナンジェ権限にで処理することにより、エインセルは自身の思考と活動に専念することができるのである。
 また、特殊な役割を持つエインセルは、必要に応じてオグナンジェ権限の処理をエインセルに権限を引き下ろすことが可能である。意識下制御を参照のこと。
 オグナンジェはエインセルの状態に応じて割り込みをかける権限も持っている。
 例えば、エインセルが致命傷を負った時には生体維持のためオグナンジェがイミューンシステムを起動し、エインセルの処理ユニットを停止させる。

 関連項目>>意識下制御

◆ オフィーリア ( おふぃーりあ )

 惑星ビアンカの衛星の一つ。
 表面は細かい砂の砂漠になっているため表面が白っぽく、光の反射の関係でぼんやりと青白く見える。
 赤い月のコーデリアと対比して青い月として親しまれている。
 オフィーリアから照らされる月光は、特徴的な反射スペクトルを持つことが分かっており、これが魔術の行使に影響を与えていると考えられている。

◆ オフィーリア暦 ( おふぃーりあれき )

 主にディスパテルによって用いられている衛星オフィーリアを用いた暦
 オフィーリアの公転周期48日を1ヶ月とし、6ヶ月で1年を数える。
 9つの曜日と、同じ曜日を3日連続で過ごす「巡(めぐり)」というシステムにより、6日の労働と3日の休暇を繰り返す。