衛星と円環
ここでは、本星から近い順に表記する。
α環 ティフェレト
ビアンカとコーデリアの間にある非常に稀薄な環。4つある円環のうちビアンカに最も近く、稀薄なため、よく晴れた日の日昇時と日没時の僅かな時間だけ見ることができる。
隕石がビアンカを襲った時にできた円環で、主成分は宇宙空間まで巻き上げられたビアンカ本星の水分や岩石であると考えられている。
きらきらと神秘的に輝くことと、ビアンカに最も近いことから「命を与えるもの」という意味で呼ばれ親しまれている。またディスパテルの間では水や治療の魔術の象徴とされ、「根源の世界」を司っていると伝えられている。
衛星 コーデリア
ビアンカの衛星の一つで、淡い光を放つ赤い月である。
赤錆びた金属が地表を多く占めているため表面が赤っぽく見える。入植時代に中継基地として活躍した衛星で、金属から酸素を取り出すことにより燃料供給の基地となっていた。朔望月は公転周期と同じ32日で、ミネルヴァによって使われている暦法はコーデリアの朔望月が使われている。
またコーデリアはその見た目から「紅い瞳」と呼ばれ、力の象徴とされる。
β環 ビナー
コーデリアとオフィーリアの間にある二つの環のうち、コーデリア側の環。夜に望遠鏡によって観察することができ、コーデリアとオフィーリアの二つの衛星によって維持されている環である。力の象徴であるコーデリアに近いことから「形成するもの」という意味で呼ばれ親しまれている。
魔術では、火の属性や環境変化の魔術に深く関わるとされ、形成の世界を司っていると伝えられている。
γ環 ケテル
コーデリアとオフィーリアの間にある環のうち、オフィーリア側の環。β環と同様夜に観察することができるが、β環とδ環の間にあるため観察は困難である。コーデリアとオフィーリアの二つの衛星によって維持されている環。知性の象徴とされるオフィーリアに近いことから「創造するもの」という意味のケテルと呼ばれ、親しまれている。
土の属性やに深く関わるとされ、創造の世界を司ると伝えられている。
衛星 オフィーリア
ビアンカの衛星の一つで、淡い暖光を放つ白い月である。
太陽系初期から降り注いだ隕石の細かい破片が砂状になって降り積もっているため表面は白っぽく、赤い月と対比して青い月として親しまれている。
入植時代はより宇宙空間に近かったことからFTLゲートとビアンカを結ぶ中継基地として利用され、太陽系の他の惑星を探査する時の拠点としても活躍していた。
朔望月は公転周期と同じ48日で、ディスパテルと魔術に関する暦は全てオフィーリアの朔望月が基になっている。
またオフィーリアは「蒼い瞳」と呼ばれ、知性の象徴とされている。
コーデリアとオフィーリアをあわせて「双子の月」と呼ぶことがあり、この二つの月の相互作用によって一般的な魔術のバランスが保たれていると考えられている。
δ環 ネツァフ
オフィーリアの外側にある非常に大きな環。天気が良ければ一日中目視で確認することができ、ビアンカから観測できる円環のほとんどがこのδ環である。
その大きなリングでビアンカを包んでいるように見えることから「包容するもの」という意味のネツァフと呼ばれ、親しまれている。
魔法では、風の属性に深く関わるとされ、表現の世界を司るとされる。
衛星 カタリーナ
ビアンカの衛星の一つで、最遠端に存在する灰色の暗い衛星である。
コーデリア・オフィーリアに比べその大きさは3分の2程度であるが、密度が高く非常に重いであることがわかっており、ビアンカと連星になっている可能性も考えられる。また、δ環が維持されているのもこの衛星の重力が影響を与えているためである。
衛星の組成については詳しくわかっていないが、光の反射率が低いため薄暗く、またδ環の影に隠れるためビアンカから観測するのは困難である。
そのためコーデリア、オフィーリアにならって「黒い瞳」と呼ばれることもある。ミネルヴァの暦には黒曜日というものが存在し、ディスパテルの間でも魔術学上重要な存在であると位置づけられている。
またその重力からビアンカに与える影響も大きく、潮の満ち干のほか魔力にも少なからず影響を与えていると考えられている。