オリジナルの自作小説と、それに関連する2D・3DCGを載せています

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◆ パケット ( ぱけっと )

 体内で生成した魔力は体の表面から放出されるため、そのままでは術者自身も魔力による影響を受けることになる。
 そのため、一定時間魔力を膜で包み込み、術者から十分離れた距離をもって魔術を発動させるための技術。

 魔術師の生命を守る非常に基本的かつ重要な技術となっており、この技術の習得が初等教育の始めの学習内容にもなっている。

 パケットを極めると、詠唱魔法でも思った場所・思ったタイミングで魔術を発動させることができるようになるため、優秀な魔術師は総じてパケットの扱いが上手い傾向にある。

◆ PD ( ピーディー )

 Protective Divisionの略
 エインセルのMDF・IDFを覆うように二重に塗布されている防護層。
 表面層は外部からの衝撃に対し瞬時に硬化し、物理的な破損を防ぐ働きをする。
 内部層は表面層からの衝撃を吸収し、MDF・IDFまでの衝撃伝達をカットする働きをする。
 衝撃に対しては非常に優れた性能を持ち、小口径の銃弾なども止めることができる。その反面切断には弱いため、エインセル同士の戦闘では大口径の銃の他に刀剣なども多く用いられている。

◆ PHS法 ( ぴーえいちえすほう )

 ProcedureHelp Structure(工程補助構造体)の略
 詠唱法と魔方陣法のハイブリット形態を採った魔術の発動方式
 杖や護符などにあらかじめ魔方陣を掘っておき、術者からの魔力供給のみで簡単に発動できるようにしたもの。
 術者の負担軽減の他、変成と出力を魔方陣の側で受け持つため発動が早いため好まれている。
 一部の魔術師が好んで利用するほか、かまどや街灯の着火などに利用されている。
 珍しいところでは、途中まで変成した魔力を流すことで扉のロックを解除する認証鍵としても利用されている。

◆ フィジカルレポート ( ふぃじかるれぽーと )

Physical Report( PR )

 VISIONを始めとする各種AIに何かしらの障害が発生したときに、自己診断モードにて発見した障害箇所と状況を表示する機能。
 VISIONの場合には管理する都市全体を見渡すことで、障害箇所の迅速な修復や、災害時の避難誘導などに活用される。
 エインセルやフェノゼリー等の場合には全身に存在するセンサー及び各種ユニットからの発報をもとに、どの部位にどの程度の障害が起きているか、自己修復が可能かどうかを総合的に判断することが可能。

 専用のメンテナンスユニットを接続することで、自己診断が不可能な場合でも第三者が状況を確認することが可能となっている。またエインセルの場合には医療担当が頻繁に使用するため、取得する行為や接続ユニットのことも含めPRと略して呼ぶことがほとんどである。

 PRでは障害レベルの大きさによって以下の4段階で障害レベルを定めている。

○Profound Events(深刻な重障害)
 この障害レベルでは直ちに修復を行わなければ生存することが困難なため、障害原因や損害状況などありとあらゆるデータをログに詳細に記録する。
 生体:胴体部位の骨折、致死量に達する出血、生体維持システムの障害など、生命の維持に関わる重篤な障害が発生した場合。
 駆動:電装系にトラブルが発生し、全身への制御命令伝達やセンサーからの応答が完全に途絶している状態。
 給電:給電システムが完全に停止し、エネルギー切れによる死を待っている状態。

○Major Events(重障害)
 重傷を負った状態。適切な治療を行えば確実に回復はできるが、処置ができない状態が続くと深厚な重障害に達する恐れがある。
 生体:全身強打、大量出血、腕や足など末端部位の骨折等による停止、生体部位への細菌・ウィルス感染の他、また軽障害が複数重なるなどしてイミューンシステムが起動している状態。
 駆動:アクチュエーターに障害が発生しており、修理をしなければ正常な活動が著しく制限されている状態。
 給電:複数ある給電システムのうち、一つ以上に障害が発生、または停止している状態。

○Minor Events(軽障害)
 機能レベルは下がるが、活動自体は継続できるトラブル。このままでは重障害に繋がる事前警報なども行う。
 生体:腕や足などの末端部位の強打、傷口がふさがるまでに時間がかかりそうな出血。
 駆動:センサー系の故障、ただし他のセンサーで補完可能な場合。アクチュエーターの反応が少々鈍くなっている状態等
 給電:複数ある給電システムのうち、一つ以上が正常運転のしきい値を下回っている状態。

○Supervisory(要監視状態)
エインセル・フェノゼリー自身の自己治癒能力で十分対応が可能なトラブル
体調不良や打撲など、出血を伴わないケガもここに分類される。
 生体:打撲などの出血を伴わないケガ
 駆動:過負荷による一時的な温度上昇や反応低下の状態。
 給電:給電システムの残量低下や、空腹を感じている状態など。
 その他:定期診断異常、状態不良記録通知(本人によって通知できるログ)

◆ VPN ( ぶいぴーえぬ )

 バーチャルプライベートネットワークの略。
 暗号化技術を駆使し、公衆網であるネットワーク上で仮想的に閉じたネットワークを構築する技術。
 エインセル同士で行われる通信のうち、特に機密性の高い通信を行う場合に活用される。

◆ フェノゼリー ( ふぇのぜりー )

 エインセルから分かれた作業に特化したロボット。
 人の身体を持つことである程度何でもできるようになったエインセルと比べ、万能ではないものの特定の分野においては他の追随を許さない性能と耐久性を持つ。
 単独で動作するロボットの他に、人やエインセルを乗せる乗り物などもフェノゼリーであることが多く、エインセルとともに人類の惑星ビアンカでの活動を支えてきた存在である。
 意外なことに、全身の管理制御用にMDF、思考制御用にIDFを持っているのはエインセルと共通で、部品が異なることを除けば同じような整備方法を取ることができる。

◆ プリムラコード ( ぷりむらこーど )

 ディスパテルが本人の中に存在する魔術回路の規模を定量的に測定するために書かれたコード(詠唱文)
 無為に体内で魔力を生成し消費するだけの詠唱文が繰り返し記述されており、繰返し回数が増えるごとに体内で扱う魔力の量が増えていく仕組みである。これにより自身がどの程度の規模の魔術まで行使することができるかを詠唱文を読むだけで調べることができる。
「運命を開く」というプリムラの花言葉にちなんで名付けられた。

◆ プレゲトン火薬 ( ぷれげとんかやく )

 魔術に対抗するための戦術兵器として、ケフェウス大公国で秘密裏に開発された火薬。
 黒いゼリー状の物体で、正確には燃料に強力な助燃剤を混ぜたような性質を持つ。
 対象物に塗布し火を付けることにより高温で激しく燃え上がり、対象に粘着するため消火することが困難である。

 火は炎色反応を利用して意図的に着色されている。
 具体的には、燃焼の初期状態においては白色の強い閃光により対象を眩惑させて、着火地点からの脱出を遅らせる。その後四色から六色程度に着色された炎が燃え立つことで、心理的な恐怖心を煽るようになっている。
 しかしこれは欠点にもなり、意図的な着色によりプレゲトン火薬が使用されたことが分かるようになってしまっている。

 極秘としているはずの火薬だが、ごく少数が不正なルートで流通しており、一部の火災で使用されていると思われる目撃情報が出始めてしまっている。